竹田和平
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数年前のことです。ある会社の株を400円台で取得したのですが、これが半年ほどしたら1600円にまで高騰しました。普通はここで売りに出すんでしょうね。なにしろ売却益が10億円近くまで跳ね上がったのですから。それでも私は手放さない。なぜなら、旦那でありたいからです。頑張っている企業を応援したいからです。
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一人ひとりの仕事だって、助けたり助けられたりの連続じゃないですか。最終的にはお金の話になるわけだけど、前提として、開発する人も営業する人も「世の中の役に立ってほしい」「会社に貢献したい」という思いがある。経営者も同じで、最近はCSRが経営の案件にも上げられます。つまり誰もが無意識のうちに「世のため人のため」に生きている。それが徳です。
事業というのは、世の中を良くして、人々に福祉を行きわたらせることを目指すものですから、それに奉仕するのが職業の真の姿です。
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株であれ何であれ、自分で判断して自分の責任において買うべきです。株は自己反省であり、日々、勉強だと思います。
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私にとって、株を買うのは旦那になることと同じです。仕事のできる番頭に向かって「これでやりたいことをやってみなさい」とお金を出す。すると番頭は感謝して、恩に報いるために頑張り、成功したら配当を持ってくる。旦那は目をかけた番頭が成功してうれしいし、番頭は恩返しができてうれしい。これが理想の投資家と企業の関係だと思います。お金儲けのためじゃなく、共感できる企業を応援したいから、株という手段で資金を提供しているわけ。
頑張っている会社の、頑張っている経営者を、投資によって応援すること。それが投資の神髄。
ああでもない、こうでもないと頭でいくら考えてみても、出てくる考えは世間の平均並みのレベルのものです。大切なのは、考えるよりも、まず決めること。理屈よりも覚悟を腹に据えることです。その覚悟をもって、素直な心で進めば、たいていのことはいい方向へ進むものなのです。
情報源は会社四季報だけなんです。四季報が間違えたら、僕も間違えると。そういう覚悟さえ持っていればいいんですよ。
「良い世の中を創っていこう」「そのためにみんなで頑張ろう」という考えがあったら、間違った方向に進むことはありません。
投資で得たお金を世のため人のために使うとお金はどんどん増えていく。
わくわく生きるコツはニコニコにあり。
「徳」とは人を喜ばせることだと僕は思っている。人が喜べば、喜びが返ってくる。
投資とは本来、長期的にやるもの。そのためには、きちんと配当を出している会社を選ぶべき。むしろこの時代、配当は出していて当然ですが。設備投資に備えて配当を控えるのは筋違いだと私は思う。健全経営なら配当を出してもキャッシュは残るはずだし、新規事業で資金が必要なら増資すればいいこと。
私はずっと何十年も会社の経営を見てきましたが、つぶれる会社もごまかす会社もみんな借金の多い会社です。逆に財務が健全でつぶれたところは見たことがありません。PBRは会社の活力を示す。
運は主として人が運んで来ます。好運の人は好運の人を引寄せます。いつも好運を維持すれば成功は維持できます。運の吉凶は心の問題です。
僕は前回の東京オリンピックのときも株をやっていたから手に取るようにわかるけれど、オリンピックが終わった瞬間にシューっと気分がしぼむんだわ。国民のやる気が縮む。そうすると株を買う気も縮んでしまう。株価は暴落するわ。
僕はどこの会社のトップにも言うんです。社長会長で終わりじゃないぞ。引退したあと、花咲爺という、人生で一番楽しい時が待っているんだぞ、とね。
金貨を与える喜びが10だとしましょう。しかし貰う側は10倍、つまり100喜んでくれるんです。すると90喜びが増したことになります。その90は巡りめぐって、自分のところに帰ってくるんです!帰ってこないことがないんです!
物事を始めるときには、頭で考える以上に、腹を決めよということです。「どうしたらうまくやれるだろう」という方法論を考えるまえに、「何としてもこれをやり遂げるんだ」という覚悟を決めることが肝心なのです。あたりまえの話ですが、その覚悟がないと、いい知恵も出てきません。「いい知恵が浮かばないからできない」という人は、知恵がないのではなくて、知恵を出そうとしていないだけ。知恵が出ないのは、「どうしてもやるんだ」という覚悟が足りないからです。
扉を開けるごとにいいことがあると言い聞かせる。それが、わくわく生きる二つ目のコツ。
竹田和平のすべての名言