白石康次郎
0
先にある僕の夢は「世の中を明るく元気にしたい」ただそれだけのこと。
1
ゴルファーの丸山茂樹さん以外にも、海外ツアーに挑戦した日本人ゴルファーは何人もいますが、彼ほどの成績を残している人はいません。丸山さんと他の人たちの違いは、早い段階から世界を意識してプレーしてきたかどうかだと思うのです。その意識こそが、彼の華々しい活躍を支えているのではないかと僕は考えます。
何度も諦めたことはあるわけ。ただ、投げ出したことはない。
2
正直に言えば、若いころは世界一周をもっと簡単にできるものだと考えていました。でも朝顔だって、種を蒔いた翌日にすぐ芽は出ませんよね。ともすれば、人間はすぐ結果を欲しがりますが、「時」が来なければ芽は出ないし花は咲かない、それが自然の理なのです。
3
僕が頑張ろうが頑張るまいが、自然はそんなこと考慮してはくれません。同じように、どんなに完璧な準備をしたとしても、次に僕が世界一周できる保証はありません。結果なんて誰にもわからないのだから、考えても仕方がない。それよりも、やれることをやって、失敗したらそれを受け入れることが重要です。
実際に行動を起こすことが重要です。高校生のとき、多田雄幸さんの本に感銘を受けた僕は、東京駅まで行って、電話帳で多田さんの電話番号を調べて会いに行きました。いま考えればずいぶん無鉄砲なやり方ですが、でも、あそこで思い切って第一歩を踏み出さなければ、その後の世界最年少世界一周も、「5オーシャンズ」2位も、僕の人生にはありませんでした。
もっと自分を高めていかないといけない。
僕がまだ高校生のとき、「一人乗りのヨットで世界一周」という目標を立てたものの、実現させる術は、まったく見当がつきませんでした。でも、悩んでいたって埒があきません。とりあえず先駆者たちがどうしたのかを勉強しようと思い、ジョン万次郎から植村直己さんまで、ヨットや冒険に関する本を手当たり次第に読んでいきました。そのとき出会ったのが、のちの僕の師匠・多田雄幸さんの本でした。そこには、まさに当時の僕の欲しかった情報がすべて網羅されていたのです。
心配事の8割は起こらない。
僕は船に弱くて、いまでも航海に出て数日間は、船酔いで死ぬような思いをしています。また、ヨットはとにかくお金がかかるというのに、僕は大金持ちでもなければ、大スポンサーもいない。だから、船に乗っていないときはいつも、必死で資金集めに走り回っています。こんな僕のどこが、才能や環境に恵まれているといえますか。
1回失敗したくらいでくよくよしてたら笑われちゃう。
僕は自分のやってきたことを偉業だなんて思っていません。ヨットでの世界一周も、5オーシャンズで表彰台に上がったことも、それをやりたいと思う自分の心に素直に従っただけです。
失敗を受け入れられるようになるには、何度も試練を経験して、「精神筋肉」を鍛えるしかないと思います。
結局「壁」を作り出しているのは人間の心。行く手を阻む風の大波を困難だと感じたり、恐れたりするのは人間です。波は波でしかない。大自然を前にすると、ジタバタしても始まらない。淡々と冷静に最善をつくすだけ。
絶対にその目標を達成するという強い気持ち。その気持ちが強ければ強いほど自分のアンテナの感度が高くなり、必要なものや情報、やるべきことも見えてきます。
状況は変わらなくても、向きを変えれば見え方が違ってくる。
何カ月にも及ぶレース中も、ヨットの上で毎日ヒゲを剃ります。なぜなら僕にとっては、それもやるべきことだから。心身の準備を整えることが目的ですが、実際問題、船底などで何かトラブルが発生すれば、水中メガネを着けて自分で修理に行かなければなりません。そのときヒゲが伸びていると、そこから水が入ってきて困るという理由もあるんです。
よく諦めちゃいけないって言うんだけど、あれって悪い決断じゃないんですよ。諦めるって明らかに見極めるって意味なんですよ。
4
動き出さなければ何も始まりませんが、動けば、夢は向こうから近づいてきてくれるのです。
6
人間はイメージできないものは絶対に実現できません。
白石康次郎のすべての名言