野村克也
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茶髪では優勝は無理。
俺はプロとして恥ずかしい思いを常にしていたからこそ、何とかその恥ずかしさを消したいと願い、努力を重ねた。だからこそ、俺は誰よりも練習を積んだ。
北国の春は、まだ遠し。開花宣言してくれよ誰か。
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一芸に秀でた人間が、気づけば他の芸も身につけ、さらに一流のプロとして磨きをかける。そんなことも少なくない。ひとつを極めた人間にとっては、別の道でも「何をどうやれば結果が残せるか」が見えやすくなる。そして、一芸で得た「自分はデキる!」という自信が、別の道でも自分を磨く時の余裕となる。つまり一芸があれば、他の道も開くんだよ。
高い理想を求めていたからこそ、勝利にこだわり、自分を磨いてこられた。
人を見抜き、適材を見出すコツはゼロベース、白紙の状態で人を見るということ。「彼はずっとあの仕事をしていたから」「あいつはこういう役割だから」。そんなのは前の監督、会社だったら上司が、間違って押しつけたことかもしれない。人を見抜きたいなら、心がけたい言葉はこれや。「先入観は罪、固定観念は悪」だ。
ちっぽけなプライドこそ、その選手の成長を妨げる。
一方的に口にするだけでは意味がない。そこで使ったのが「問いかけ」だ。「おい、人間とは、何や?」「生きる、意味を答えてみい」すぐさま答えが出る選手などいない。考えてないからだ。しかし、こうして問いかければ考えざるを得ない。ひとりに問いかければ、自然と周りも考え始める。それが狙いや。
リーダーシップとは人を動かす、先を読むこと。人を動かすのは生きがい、夢、希望、目標、目的、ビジョン、興味、関心。
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選手がどういう場所で生きてくるかを気づかせるのが監督の役目でもあるんです。監督業というのは「気づかせ業」だと思っています。気づかせることが「再生」なんです。南海時代、それまで1勝もしてなかったピッチャー3人をトレードで獲得して「俺が言うとおりに投げれば間違いない」と言って3人とも2ケタ勝利で優勝。それで再生工場というような異名がつけられたわけです。
この年齢になると、食よりも、俺が体力や気力を維持させられる理由は「睡眠」かもしれんな。昔も今も1日8~10時間は寝るんだよ。年寄りは眠れなくなるというが、俺はいまもそれだけ寝ている。カメ理論だよ。ワニやカメみたいに、じーっとしている動物ほど長生きするものだ。だから、俺はしぶとい。
これが楽天野球です。安打多くして得点少なし。
勝つときにはいろんな勝ち方があって、相手が勝手にずっこけたり、勝手にミスしてくれたりして「ああラッキー」という勝ち方もあります。しかし、負けるときというのは、負けるべくして負けるものです。勝負の世界にいると、勝って反省というのはできないが、負けたときには反省する。敗戦の中にいい教訓があると思います。
「選手が最も活きる場所、光る場所はどこだろう?」を念頭にしっかりと人を見る、適性を見抜く。野球の監督のみならず、チームを率いる時、これが外せない第一歩になる。実はこうして見抜いて適材適所に配置すること。それこそが、人を再生させるコツ。野村再生工場のカギだったんだよ。
コンプレックスや劣等感があるからこそ、自分を変えて、努力を積み重ねられる。
ミスを恥と思わないヤツは見込みがない。その証拠にダメなチームほど「ドンマイ!気にするな!」と言い合っている。
誰かが自分を支え、自分も誰かを支えているのは変わらない。いつの時代も、ここがわかっている組織、個人は強い。
よい会談をするなら環境作りも大事。ヤクルト時代、アメリカ・ユマでのキャンプ時のミーティングは最高だった。田舎で周囲に何もないから、話を聞くしかなかった。
本質的な質問を投げかけ「仕事」に対する深い理解へと導くことが重要なのだろう。
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人を判断するときは決して結論を急がないこと。
野村克也のすべての名言