野村克也
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うまくいっているときは、周りに人がたくさん集まる。だが、一番大切なのは、どん底のとき、誰がそばにいてくれたかや。
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野球選手である前に、社会人としてしっかりとした自分を作りなさい。
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野球は技術力には限界がある。その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界なんだよ。
4
人間の才能なんて、どこに隠されているか分からない。相手の話を聴いてみる。それが第一歩。そこから組織の活性化が始まる。
気づくことのできる人は、夢や希望、向上心、自分はこうなりたいという思いを根っこに持っている人です。
いまの選手はあまり努力をしない。彼らは憧れだったプロ選手になったことで満足してしまっているんです。本当はようやく出発点に立ったに過ぎないというのに、そこがゴールと勘違いしてる。だから、チームから与えられたメニューしかやらない。それで一流の結果なんて出せるはずがないじゃないですか。
選手によく使ったのが、「とは」という言葉だ。「野球とは?」「勝負とは?」「バッティングとは?」。ものごとに関して、しっかりと問題意識を抱き、自らの頭で考えているか。それを問う意味で、常に「~とは何か?」を問うてきたんだ。プロ野球選手が「野球とは?」と聞かれた時に答えられなかったら、それは「考えてない」ということだ。
困難を「我慢する力」を育てる機会と捉えよ。
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「覚悟」なんてのは、上に立つ者が本気で示せば、下に続く者も自ずと抱いてくれるもの。俺こそがまさに上に立つ人間が腹を決めてくれたからこそ頑張れた。監督業で花を咲かせられた。
現役時代にホームラン王を獲得した翌年、スランプに陥りました。そのとき先輩に言われました「野村よ、ぶん殴ったほうは忘れても殴られたほうは忘れないぞ。勝負だから、相手から自分を見ることも大事なんだ」と。殴られたら殴り返すという当たり前のことに気づかなかった。自分ばかりでなく相手も変わることに気づかなかった。先輩の、あの言葉は未だに耳に残っています。このときからですよ、データに夢中になったのは。相手の自分に対する攻め方が変わったのか変わらないのか。それを知るにはデータしかなかった。
命令するからには、全責任は監督にある。つまり、クビになるのはおまえでなくワシや。だから、失敗してもいっこうにかまわない。おまえの失敗はおまえを使ったオレが悪いのだから、全てを出しきり、結果は神にゆだねろ。
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重荷があるからこそ、人は努力するのである。重荷があるからこそ、大地にしっかりと足をつけて歩いていける。
悩みを抱えているとき、人は怒りっぽくなるよな。でも、それを仕事の現場で出してはいけない。必ず失敗する。
「お前を絶対に信じている。任せたぞ」と伝えることで、選手に責任感と覚悟が芽生える。
見ている人は見ているのだから、仕事はいつも一生懸命でなくてはならない。
自分は選手に対して、「無視」「称賛」「非難」の三段階で接しているんだ。プロとしてのレベルに達していない選手は無視をする。一定レベルに達した選手は称賛する。そして、一流選手に対しては、徹底的に非難する。
素振りはつまらないし、回数を基準にすると続かない。私がこの単純作業を継続できたのは、振ったときのブッという振幅音に興味を持ったから。ミートポイントで力を爆発させるようなスイングができたときは、この音が短い。そして、この短い音を出すためには、力を抜いていないとダメだということに気がついた。これがおもしろくて、1時間、2時間はすぐに過ぎていきました。
選手たちに野球を離れて人間学のような話をしたのは「野球だけの人間になってほしくない」という思いもあった。プロ野球選手は30代後半にはほぼ引退する。だからこそ結果を出して選手生活を駆け抜けてほしいし、引退後も活躍できるような人間になって欲しかったからね。
監督も上司も周囲に「自分の考え」を明確に伝えたいなら就任直後に限る。周りが「どんな考え方をしているのか」と聞く耳を持っているからね。
私は以前から、監督は「気づかせ役」だと考えてきた。
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