丹羽宇一郎
2
自分に負けないよう、欲望に負けないよう、心の鍛錬をすることが重要。
1
30代前半から40代前半までの10年間は、自分が関わっている仕事について日本一、いや、世界一になるつもりで勉強することが重要です。学者と議論しても負けないほど勉強を重ねる。自動車業界に身を置いていれば、「自動車」と名のつく本はすべて買うぐらいの覚悟が必要です。並大抵の努力ではできません。
「信なくして国立たず」という言葉がありますが、社長をどれだけ信頼できるか、社長は社員をどれだけ信頼しているか、そうしたことが第一にあるはず。
入社して30代前半までの最初の10年間は、アリのようになって働くことが重要です。若い時期に人生を切り開くために必要な、仕事の基本を体に覚えさせるのです。力を出し切るまで働くという意味を込めて、私は「泥のように働け」と言っています。
正解は1つではない。ベストはなく、これがベターだと考えられる選択をしていくしかない。そのベターも、会社によって違う。
経営でも、相手と5分くらい話していて「この人は相当出世する」とピンとくることがあります。そうした直感は、若くて経験が足りないときはよくわからなかった。人生経験だったり、自分の専門分野の経験を相当積み重ねて、ようやくひらめきが働くのでしょう。
0
「お前は、何様だ」と、自分に言い聞かせなければ、従業員のことを見失いかねない。
6
人間の性というか、自己申告だと損をできるだけ少なく報告するのが常。
人を生かすことをしない経営者は失格。
私は、自分の実力を最大限に発揮したければ平常心を失わないことが何より重要じゃないかと考えています。
逆境に強い人がいるわけではなくて、逆境が人を強くするんです。
90年代半ば、業務部長として不良化したバブル期の資産の早期処理を小生意気にも訴えたのだが、案の定、経験豊かな副社長たちに「何を言うのか」と怒られてしまった。このときに初めて、会社に影響を与えるには常務くらいにはなる必要があると思った。
誰がやっても傷だらけになるなら、俺がやればいい。
5
時に失敗することがあっても、その経験がまた財産になる。
スランプを感じるのは、その人が一生懸命仕事に打ち込んできたからです。
子会社の整理の過程で退職してもらった人たちも多く出たが、伊藤忠は危機を乗り越えられた。隠し事はせずに公明正大に訴えたことで、社員のバックアップを得られたのだと思う。社員なくして今の私はない。
エリートなき国は滅びます。国だけではなく、エリートなき企業も滅びます。どういう人をエリートと呼ぶかよくよく考えなきゃいけない。人に尽くす喜びを本当に感じている人こそが、真のエリートになる資格がある。
4
悲観的に考えて、楽観的に行動しろ。最悪を考えて準備したら、あとはうまくいくと思って明るくいったほうがいい。
人は一生勉強。謙虚に常に心を鍛えることで己を磨いていくことが大事。
人間は誰しも、予測できることであっても、悲惨な結末を見るまでは行動を起こしたがらない。
丹羽宇一郎のすべての名言