丹羽宇一郎
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読書で何を読むかは人それぞれで、「これを読みたい」と思う本を読むのが一番です。一冊の本を読んで、心に刻む言葉がひとつふたつあれば十分です。それが頭と心に栄養を与えます。そして、同じ本に接しても自立と成長を志向する意識がない限り、情報は流れていくだけです。
企業にしろ、政治にしろ、例外はあるだろうが、一般的に言えば、長期化すれば権力そのものはみな腐っていくのが常。
一見、「これをやるな」というネガティブリストは発想を制限しそうに思えますが、それは逆です。イノベーションは意外なところから生まれます。これがポジティブリストだと「これをやれ」の中に「医療分野の研究」が入っていないので、やってはいけないということになる。ネガティブリストだと、「やってはいけない」こと以外は何をやってもよい。だからイノベーションが生まれやすい。
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商社で学んだことは、現場の一次情報から判断すること。
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「信なくして国立たず」という言葉がありますが、社長をどれだけ信頼できるか、社長は社員をどれだけ信頼しているか、そうしたことが第一にあるはず。
30代前半から40代前半までの10年間は、自分が関わっている仕事について日本一、いや、世界一になるつもりで勉強することが重要です。学者と議論しても負けないほど勉強を重ねる。自動車業界に身を置いていれば、「自動車」と名のつく本はすべて買うぐらいの覚悟が必要です。並大抵の努力ではできません。
自分に負けないよう、欲望に負けないよう、心の鍛錬をすることが重要。
人を生かすことをしない経営者は失格。
「お前は、何様だ」と、自分に言い聞かせなければ、従業員のことを見失いかねない。
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人間の性というか、自己申告だと損をできるだけ少なく報告するのが常。
経営でも、相手と5分くらい話していて「この人は相当出世する」とピンとくることがあります。そうした直感は、若くて経験が足りないときはよくわからなかった。人生経験だったり、自分の専門分野の経験を相当積み重ねて、ようやくひらめきが働くのでしょう。
時に失敗することがあっても、その経験がまた財産になる。
入社して30代前半までの最初の10年間は、アリのようになって働くことが重要です。若い時期に人生を切り開くために必要な、仕事の基本を体に覚えさせるのです。力を出し切るまで働くという意味を込めて、私は「泥のように働け」と言っています。
誰がやっても傷だらけになるなら、俺がやればいい。
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90年代半ば、業務部長として不良化したバブル期の資産の早期処理を小生意気にも訴えたのだが、案の定、経験豊かな副社長たちに「何を言うのか」と怒られてしまった。このときに初めて、会社に影響を与えるには常務くらいにはなる必要があると思った。
人は一生勉強。謙虚に常に心を鍛えることで己を磨いていくことが大事。
私は、自分の実力を最大限に発揮したければ平常心を失わないことが何より重要じゃないかと考えています。
逆境に強い人がいるわけではなくて、逆境が人を強くするんです。
最後は心の強さと平常心。頂点を目指すような戦いにおいて技術はさほど変わらない、心の持ち方によって勝敗が決する。
悲観的に考えて、楽観的に行動しろ。最悪を考えて準備したら、あとはうまくいくと思って明るくいったほうがいい。
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