五木寛之の名言
小説家・随筆家
五木寛之の名言。全81個。
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「人間には無限の可能性がある」というような言いかたには、どこか嘘があると思う。人間にはできることと、そして、できないことがある。
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大事なことは何か。なにごとによらず、一つずつの行為を十分にあじわいながら、その一瞬を大切に過ごすこと。それがいま、特に大切に思われてならないことなのです。
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なにもやらなくてもよい、失敗した人生であってもよい、それはそれで、人間として生まれてきて、そして人間として死んでいく、そのことにおいて、まず存在に価値があるのだ。
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思想、アイデア、学問、文化。これからの日本はそうしたもので世界をリードしていけばいい。人口は少なくてもいい。経済大国になる必要もないと私は思っています。
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私たちは死ぬときは、ただひとりで逝く。恋人や、家族や、親友がいたとしても、一緒に死ぬわけではない。人は支えあって生きるものだが、最後は結局ひとりで死ぬのだ。
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私たちは、まず、自己を肯定するところから出発したほうがいいようです。自己を肯定し、自己を認めてやり、自己をはげまし、よろこばせること。それが必要ではないか。
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いつまでも若い気になって、世界に覇を唱える必要はない。これからの日本は少子化と豊かな精神の大国への道を歩いていけばいい。
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科学は常に諸刃の剣である。医学や技術によって救われた命と、それによって失われた命と、はたしてどちらが多いか。私は五分五分だと感じている。
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証明することができない事柄を信用しない人がいる。科学的でない、という理由からだ。しかし、私たちは科学だけで生きているわけではないし、市場原理だけで暮らしているわけでもない。
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風が吹かないとヨットが進まないように、人間も「やろう」としたことのすべてを自分の力でやっているわけじゃなくてね。目には見えない大きな力で動かされている。
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人生の目的は、「自分の人生の目的」をさがすことである。自分ひとりの目的、世界中の誰ともちがう自分だけの「生きる意味」を見出すことである。
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人間は誰でも自分がいちばん大切なのです。そして、そのことをほんとうに自覚した人間だけが、自然なかたちで他人を大切に思うことができる。
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楽しいことは長続きする。好きなことは長続きする。気持ちのいいことは長続きする。そうでないことは、どんなに強制されても結局は続かない。
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もしプロという言葉があるとしたら、それは技術ではなく、自己犠牲を伴う努力なり研鑽を己の生き甲斐にできるかという、その一点にかかっているんじゃないですか。
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仏教には「中道」という考え方があります。これは相対立する二つのどちらか一方だけに偏らない、しかしいつも真ん中にいればいいというわけではない。両方を大事にせよということです。
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こ人生は思うにまかせねものである。好きであっても素質がない場合もあり、素質はあっても環境や運に恵まれず、好きではない世界で一生をおくらなければならないこともある。
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やる気のない奴が偶然に仕事の手を抜いたため、思わぬミスが起きたが、それが結果的にすごくよいものに変化したり、思いもかけない成功につながることだってあるのです。
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私自身は、さんざん苦労していろんな目に遭って生きてきたのだから、「疲れたけれど、これで休めるか」というようなホッとする気持ちで死に臨めればいいな、と考えています。
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人生に目的はあるのか。私は、ないと思う。あらかじめ決められる法律のような人生の目的というものを、私は想像することができない。
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このところ核利用施設の事故があいついで発生した。今後、いつか、どこかで、もっとひどい大災害がひきおこされるかもしれない。
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寂しさを誤魔化そうとかしてはならない。自分を欺いたりしないで、そのさびしさをまっすぐに見つめ、その自分の心に忠実にしたがえばよい。
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どれほど努力しても失敗ばかりする時期もある。そういうときは、「うーん、どうも他力の風が吹いてないようだね」と自分を責めたりせずに首をすくめていればよい。
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自分自身を囃し自分自身に相づちを上手に打てるようになったとき、私たちは孤独のなかでも明るく、いきいきした表情で暮らすことができるようになるかもしれない。
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「明日はわからない」ということをわかっているだけでも違う。震災だろうと、経済的危機だろうと、何も考えていない人よりも50%は有利というか、より的確な判断ができるようになるでしょう。
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出世のための人脈じゃなく、自衛のための人脈をつくっていくんだ。そう覚悟するだけで、先行きの見えない世の中にも、ちっちゃな灯りがともるんじゃないでしょうか。
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成長が一段落ついて、その中で付加価値を生み出して行こうというのが成熟の時代。付加価値とは何かといえば、文化的価値ということ。
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混迷の時代には「そうだ、もともと人生なんて思うようにいかないもんなんだから」と絶望のどん底まで降りていって、そこから跳び上がればいい。
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政府はクールジャパンということで、原宿のファッションなども海外に売り出して行こうとしていますが、豊かな物語を作り出して行かないと心に響かないと思います。
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国が国民のためにあるなんて、夢を見てはいけない。国家は国民のためにあるんじゃなくて、国家そのもののためにあるんですから。