ニーチェ
0
樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、それは果実だと誰もが答えるだろう。しかし、実際には種なのだ。
1
経験は、経験に対する欲望のように消えることはない。私たちは経験を積む間は、自らを探求しようとしてはいけない。
病気であることは教訓に富んでいる。健康であることよりも教えるところが多い。
隣人を自分自身と同じように愛するのもいいだろう。だが、何よりもまず自分自身を愛する者となれ。
天国には興味深い人たちが一人もいない。
血と格言をもって書く者は、読まれることを望まず、暗誦されることを欲する。
2
悪人がいくら害悪を及ぼすからといっても、善人の及ぼす害悪にまさる害悪はない。
キリスト教道徳は奴隷の道徳、弱者の道徳である。生の拡大をさまたげ、本能の発揮を抑え、人間を萎縮させ、退化させる道徳である。
人間のみがこの世で苦しんでいるので、笑いを発明せざる得なかった。
3
人は、常に前へだけは進めない。引き潮あり、差し潮がある。
人間は晴れ晴れとした健やかな愛をもって自分自身を愛することを学ばねばならない。これが私の教えである。自分自身を堅持し、あちこち彷徨うことがないようにである。
我々は自分の趣味に合うものを褒める。つまり、我々が何かを褒めるとき、自分の趣味を褒めているのだ。
みずから敵の間へ躍り込んでいくのは、臆病の証拠であるかもしれない。
自分を破壊する一歩手前の負荷が、自分を強くしてくれる。
道徳的理想の勝利は、他のいずれの勝利と同じく、「非道徳的」手段によって、つまり暴力・虚言・誹謗・不正によってえられる。
私を破壊するに至らないすべてのことが、私をさらに強くする。
乞食…乞食は一掃すべきである。げだし何か恵むのもしゃくにさわるし、何もやらないのも、しゃくにさわるから。
あらゆる人間は、いかなる時代におけるのと同じく、現在でも奴隷と自由人に分かれる。自分の一日の三分の二を自己のために持っていない者は奴隷である。
信念は、真実にとって嘘よりも危険な敵である。
大きな苦痛こそ精神の最後の解放者である。この苦痛のみが、われわれを最後の深みに至らせる。
4
ニーチェのすべての名言