ニーチェ
1
道徳家が誰かをつかまえて、「君はかくかくであるべきだ」と言ったとしても、それは物笑いの種になるだけだ。個人は前から見ても、後ろから見ても、一個の運命であり、ひとつの必然である。その必然は万物と結びついており、個人に対して「変われ」と言うことは、万物に対して変われと要求すること、過去にさかのぼってすら変われと要求することに等しい。
0
善にも強ければ、悪にも強いというのが、もっとも強力な力である。
道徳的理想の勝利は、他のいずれの勝利と同じく、「非道徳的」手段によって、つまり暴力・虚言・誹謗・不正によってえられる。
私を破壊するに至らないすべてのことが、私をさらに強くする。
乞食…乞食は一掃すべきである。げだし何か恵むのもしゃくにさわるし、何もやらないのも、しゃくにさわるから。
2
あらゆる人間は、いかなる時代におけるのと同じく、現在でも奴隷と自由人に分かれる。自分の一日の三分の二を自己のために持っていない者は奴隷である。
信念は、真実にとって嘘よりも危険な敵である。
大きな苦痛こそ精神の最後の解放者である。この苦痛のみが、われわれを最後の深みに至らせる。
4
ある人間の高さを見ようとしない者は、それだけしげしげと鋭くその人間の低さや上っ面に目を向ける。そして、そうすることで自分自身をさらけ出す。
人生を、危険にさらせ!
樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、それは果実だと誰もが答えるだろう。しかし、実際には種なのだ。
最上の愛の杯のなかにも、苦いものはある。
私はお前たちに私と同じ冒険を、あるいは冒険とは言わぬまでも同じ孤独を勧めるなどと思わぬがいい。なぜなら、自分自身の道を行く者は誰にも会わないからである。自分自身の道とはそうしたものである。誰もそこでは助けに来てくれない。危険、偶発、悪意、悪天候に遭遇したならば、自力で切り抜けねばならない。自分の道をまさに自分のために進んでいるのだから。
高さがいるから階級が必要なのであり、階段とそれを登っていく人たちの矛盾が必要なのだ!人生は登ろうとする。登りながら自己を克服しようとするのである。
およそこの世の中で、怒りという激情ほど、男性の精カをあれっと思うほど急速に消耗させるものはない。
人は女を深いと思う。なぜか?女の場合、底まで行けないからだ。女は浅くさえもないのだ。
たくさんのことを生半可に知っているよりは、何も知らないほうがよい。
若者を確実に堕落させる方法がある。違う思想を持つ者よりも同じ思想を持つ者を尊重するように指導することである。
3
常にいつも、汝自身であれ。汝自身の教師、彫刻家であれ。
人は、常に前へだけは進めない。引き潮あり、差し潮がある。
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