ニーチェ
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人間は晴れ晴れとした健やかな愛をもって自分自身を愛することを学ばねばならない。これが私の教えである。自分自身を堅持し、あちこち彷徨うことがないようにである。
人は、常に前へだけは進めない。引き潮あり、差し潮がある。
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精神の名士たちの人間味は、無名の人々と交わって、愛想のよい仕方で自分の言い分を引っ込めるところに成り立つ。
芸術…芸術こそ至上である!それは生きることを可能ならしめる偉大なもの、生への偉大な誘惑者、生の大きな刺激である。
人生に対してもっと大きい信頼を寄せているなら、おまえたちはこれほど瞬間に身を委ねることもないだろうに。
夢想家は自分自身に嘘をつくが、嘘つきは他人にだけ嘘をつく。
自分を破壊する一歩手前の負荷が、自分を強くしてくれる。
みずから敵の間へ躍り込んでいくのは、臆病の証拠であるかもしれない。
我々は自分の趣味に合うものを褒める。つまり、我々が何かを褒めるとき、自分の趣味を褒めているのだ。
私はひとつのモットーに思い至った。それは、与えられた生活を与えられるがままに享受し、決してこれから起こるかもしれない苦難を思いわずらうなということである。とにかくこれが、私がプフォルタで学んだ最大の人生訓だ。苦い思いに苦しめられたり、ひどいホームシックに心が苛まれたり、行く春に心を痛めたり、憂愁に思い沈んだりしたとき、このモットーがひとつの花飾りのように過去の廃墟の間を縫って延びてくる。
君には人生の重荷が重すぎるというのか。それなら、君はその重荷をもっと増やさねばならない。
愛したいと激しく求める念が私のなかにあって、それ自身が愛の言葉になる。
人間のみがこの世で苦しんでいるので、笑いを発明せざる得なかった。
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生物の存在するところに、すべて権力に対する欲求がある。
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結婚とは、幻想を父とし、必要性を母として生まれるものである。
哲学者とはなにか。つねに尋常でない事物を経験し、見聞し、猜疑し、希望し、夢見る人間だ。
キリスト教道徳は奴隷の道徳、弱者の道徳である。生の拡大をさまたげ、本能の発揮を抑え、人間を萎縮させ、退化させる道徳である。
自己の思想を氷の上へおくことを心得ていたい人は、論争の熱の中へ身を投じてはいけない。
いい手本を示そうとする者は、自分の徳に微量の馬鹿げたところを添えなくてはならぬ。すると人は見習って、同時にその模範を眼下に見下ろす、–これが人々の好むところである。
目的を忘れることは、愚かな人間にもっともありがちなことだ。
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