立川談志
5
就職なんて心配するな。落語家になってしまえ。
0
田中というのは日本の安定です。だから日本の安定の田中を切るんじゃない。
一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。
1
勝負はこうでなくちゃ面白くねえ。長かったなあ。さあこい、これからが男のスタートだ。
3
よく「芸を盗む」とかいうが、あれは嘘だ。盗む方にもキャリアが必要だ。時間がかかるんだ。教える方に論理力がないから、そういういいかげんなことを言うんだ。
型ができてない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?難しすぎるか。結論を云えば型をつくるには稽古しかないんだ。
酒は人間を悪くするものではなく、人間がいかにダメなものかを教えてくれるものである。
何の職業でもいいのだけれど、そうなれる資格、レベルに自分をもっていく道筋がどうもあやふや。好きなことをやり、それで食えるようになりたい、だからそこに向かって賢明になるはずが、現代はアルバイトで食えてしまう。それは楽なごまかしになっていくのではないだろうか。
2
イイ奴とは自分に都合のいい奴である。
法律はお互いの信頼関係における裏切り。
落語はイリュージョンである。
勝手に生きよう。
人間という不完全な生物が生まれ、知恵を持っていたから火をおこし、雨風を防ぎ、絶滅せずにきた。そのうち好奇心が芽生え、いい好奇心を文明と呼び、悪い好奇心を犯罪と呼んだ。いいも悪いもそれが人間の業じゃねえか、しょうがねえじゃないと肯定してくれる非常識な空間が悪所といわれる寄席であった。
未来とは、修正できると思っている過去。
幸福の基準を持て。
賢い奴は何も言わなくても解ってる。馬鹿は言っても解らない。
己に自信の無い奴が常識に従う。不安を持つから動き出す。人生なんて食って、寝て、やって、終わり。
4
「怒りとは共同価値観の崩壊」怒りは、相手の寛容さに対する誤認。
己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げ行為、これを嫉妬というんです。一緒になって同意してくれる仲間がいればさらに自分は安定する。本来なら相手に学び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わらない。
落語は忠臣蔵の四十七士じゃなく、逃げちゃった残りの赤穂藩士二百五十三人が、どう生きるかを描くもんだ。
立川談志のすべての名言