僕は、世の中がデフレになりかけた時期に、「安い、安いでいいのかしら」という百貨店の広告を作ったことがあるんです。このときにはすでに広告コピーまで「安い」が最も効果的な言葉になってしまっていました。けれど、「安い」ことが一番の価値なら、広告をするより値段を下げたほうがいいし、そうした「安い」を追い求める流れが、いい流れのようには思えませんでした。「ほぼ日」で最初のTシャツを作ったときも、たくさん作ったことで原価は安くなったけれど、安さで勝負する気はなく、やっぱり動機が大事だったんです。仲間と一緒に着られるTシャツを作りたい。その時に、買ってくれる人がいると原価が下がるから、よかったら買いませんか?というくらいの気持ちでした。そしたら、欲しいと言ってくれる人がけっこういた。3000枚売れたのですが、まさかそんなに売れるとは思っていませんでした。
糸井重里
糸井重里のその他の名言
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20代30代の頃は「金がすべて」この頃に「金がすべてじゃない」なんて言うのは嘘つき。でも50になった時に「金がすべて」と思っているような人生にはしたくない。
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次の仕事を考えながら今やっている仕事に取りかかることが大事。どんな仕事でも、「今の仕事は次の仕事の予告編」という気構えで取り組むと、本来の動機を見失うことなく、進んでいける。
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常に自分が出来ることより少し難しいことをやって、常にしんどいと思っていないと、出来ることしかやらない屑人間になってしまう。
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作り手は作り手の誇り、買い手は買い手の誇りがあれば、作り手は買い手を満足させたいと必死になるし、買い手は作り手と商品を育てたいと思うようになる。そんな相互関係が築ければ、息の長いビジネスになると思う。
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オリジナリティーあふれるブランドに育てるには、お客さんに「ここは頑張って力を入れたよ」とアピールできる目に見える要素も必要。
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文章とは何よりも内容を「伝えること」が最優先なわけですがから、文章力を磨くことなんかよりも、まず相手の目をしっかり見て、話せるように練習するのが先決でしょう。
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偉くなると、腕組みをして椅子にでーんと腰かけ、面倒なことは部下にすべてやらせればいいみたいに思っている人がいるようですが、実は社長が一番「小間使い」しなければいけない。