糸井重里
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等身大のままできることを、ちゃんとやっているうちに、上昇するらせんのように進歩はするものさ。
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ひとつ大きなチャレンジをすれば、達成感や充実感を体感できる。「あの時は大変だったけど楽しかったね」「やればできるもんだね」と、笑いながら皆で口々に言い合える。
僕はただ、「こうしたら人が喜ぶんじゃないか」「こうしたら自分が気持ちいいんじゃないか」と思うことを中心にやってきたんです。
あらゆるお父さんは、昔、ワルだった。
考えることは考えるのですが、やっぱり考えが足りない。どこかに「シロウト」なところがあるからこそ、最初の一歩を踏み出せるのだと思います。「無謀」と言っては言い過ぎだけど、「冒険」というくらいの「賭けの要素」がないと、やっぱり、なにもはじめられないんですよね。
成長は当然したいですよ。あめ玉を売る会社が「世界中の人がこのあめ玉をなめたらすごいぞ」と意気込むように、誰もが自分の会社が何百倍もの規模に育つことを想像している。でもビジネスでは、逆の事態もあり得ます。あめ玉のせいで病気になる人が出てくるかもしれない。軽々しく時価総額が何倍になりますとか、支店を100出しますとか言えませんよね。だからちょっと静かに考えませんか、と思うんです。
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収増益を続けるためには、自分たちがやりたいと思えるような、さらに新しいことを生み出す必要がある。
僕のやっていることにユニークな部分があるとしたら、「本当は誰も、働きたいなんて思ってないんじゃないか」という疑いから組織のあり方や仕事の仕方を考えてきたことです。そして、この点に秘密があるんじゃないかと考えています。
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誰でも、「じぶんがほんとにいいと思ってるものごと」について語るときって、絶対にかっこいいです。
真に、おもしろくなったりするのは、「もうやめようかな」と泣いたりしてからのことです。それでもやめずに毎日続けているうちに、おもしろいかどうかさえも、どうでもよくなります。
何が正しくて何が間違っているかなんて、本来、誰にも分からないこと。
どんな仕事でも、仕上がりの絵は想像できても、それを使ったり、参加したりするお客さんの姿までイメージできている人は、案外少ないのではないでしょうか。ほぼ日の社員は、そのビジョンが割と共有されています。だから、イベント会場を選ぶ際も、「ここで開催するとお客さんは喜んでくれるかな」とか、「少しイメージと違うからほかも探してみよう」という迅速な判断に結びつく。
「ほぼ日」手帳も「自分が欲しい」が動機ですね。手帳に満足した覚えがなかったですから。
僕は実は昔より今のほうが働いています。それは楽しくて仕方がないから。働くことは大変だとか、仕事をナメちやいけないとか、生きていくためにお金を稼がなきゃいけないとか言う人が僕の周りにもたくさんいたけれど、僕はそうは思いません。働くことは、やっぱり楽しい。大変なことも難しいことももちろんあるけれど、それでも面白い。それが今、一番伝えたいメッセージなのです。
コーヒー・タイム。30分ばかり、正義もお休み。
いま世間で「ラジオ体操をしよう」というメッセージの本が40万部を超える人気になっています。ラジオ体操はいいに決まっている。だけど、なぜしないのか。腹巻きと同じで、「格好悪かつた」からです。だったら、格好悪くないものを作ればいい。
僕はね、相手が言っていることの中身よりも、それが善意に基づいているのか悪意なのかだけを考えるんですよ。
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目上とか目下ということばにとらわれずに、あらゆる人のことを「ばかにしちゃだめだ」と、根っから思っている人のすることは、いい感じです。逆に、「敬意」の対象を限定していて、多くの人を「こんなやつ」と思っている人のすることは、いやな感じというふうに思えるのではないでしょうか。
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いいたいことが「10」あるなら、それをとにかく「1」にしぼって伝える。
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順番のつくような、どんな価値を持っていても、その順番は、もっとすごいやつに追い抜かれるし、その価値は、年齢や動機の喪失やなんかとともに、だんだん減っていってしまうだろうけれど、「いまここに、あいつがいたらなぁ」って思われることの価値は、永遠なんだよ。
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