安田佳生
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企業は人なりといいます。どんな製品やサービスも、それをつくるのは人であり、売るのも人です。そこで、多くの経営者は、ビジネスマンなど最前線で働く人たちをイメージして社員を採用しようとします。しかし私は、勝負のカギは中間層が握っていると考えています。いわば30代前半のマネジャークラスです。大手と中小企業では、この層の厚さが違います。私は長年、中小企業を中心とした採用活動をサポートして核になる人物をつかんだ会社が伸びるということを実感しています。
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ほとんどの人は、ひとつめの答えが出したら、そこで考えるのをやめてしまいます。答えが出たら、思考が自動的にストップするようになっているのです。しかしそれは、もったいないと思います。答えが出ても考え続けるのです。3時間考えた人と、5時間考えた人では、たいして差は出ません。しかし、3時間考えた人と3年間考えた人では全然違います。
「やりたくないことを避ける」ことは、決して悪いことではない。ただし、やりたくないことの線引きには、センスが必要である。
いつも成功できるとは限りません。むしろ失敗の方が多いかもしれません。では何を目指すべきかというと、失敗のレベルを上げることです。成功であるか失敗であるかは、あくまで結果です。棒高跳びで5メートルを失敗したという場合、4メートル99センチで限りなく成功に近い失敗と、2メートルしか跳べなかった失敗では、明らかに失敗のレベルが異なっています。
自分を信じるのに、理由はいらない。
私がワイキューブを設立したときは、確固たる事業欲などを持っていたわけではありません。若くして起業した理由は、一旗揚げて、金と自由を手にしようと考えたからです。しかし、金儲けを最終目的にしても人は集まりません。やがて、経営者に必要なのは、みんなで一緒に追いかける夢。つまり大義を掲げられるかどうかではないかと気が付きました。
タイムカードで時間を切り売りせず、プロは成果で勝負する。
人生に成功している人は、「頭がいい人」ではなく、「やる気のある人」である場合の方が、はるかに多い。
これまで、コンサルティングの仕事で5000人を超える社長たちに会いました。彼らの経営目的を聞くと、会社の拡大。つまり、株式公開とか、売上を10倍にするとか、社員数を増やすといったことを挙げます。しかし、それは社長の野心であって大義とは違います。多くのトップのこんな考えは、優秀な人には簡単に見透かされてしまいます。
ひとつのテーマを2、3年考え続けるのは難しいものです。しかし、世の中には実際、よくこのビジネスでこれだけの売上を達成できたと驚くような中小企業が数多く存在します。そのような会社の経営者は、自分のテーマを諦めずにしつこく考え続けた人たちです。
過去の実績で未来が決まるわけではない。逆である。未来の実績が過去に対する評価を決定しているのだ。
私はもともと、それほど本を読む方ではありません。それでも、会社を立ち上げた際、なかば仕方なく最先端のビジネス書を読み、世の中のトレンドをつかもうとしたのですが、難しくて頭に入りませんでした。そこで読み始めたのが歴史小説でした。歴史という流れの中に、時代を超えた、普遍の考え方を見出し、経営に役立てられればと考えたのです。
ビジネスで重視されるのは結果です。しかし同時にプロセスの重要性も忘れてはいけません。ひとつのことを長く、しつこく考えると、思考は深まっていきます。答えが出ても考え続ける習慣によって、プロセスの精度だけでなく、成功とみなされる確率も上がるはずです。
結局、組織をどれだけ強いチームに出来るかは、できない人のレベルを上げることによって、平均値を上げるのではなく、成績トップのできる人に、どれだけ先を走らせるかで決まる。
たかだか二十年くらい生きてきただけで、まだ人生の本番・正念場にも立っていない若者が、自分の能力や才能に見切りをつけるなど、とんでもない思い上がりである。
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仕事のスピードを上げようと頑張っても、限界があります。残業時間が劇的に減ることはないでしょう。私なら、思い切って「残業をゼロにする」と決めます。それだけ仕事時間が減ると、いままでと同じ仕事のやり方では、どんなに頑張っても同じだけの成果はあげられなくなります。そして、従来とは全く別の仕事のやり方を考えざるをえなくなるのです。
過去の歴史の流れを知るうちに、「どんなに世の中が変化しても、正しい思想や価値観は変わらない」ということでした。いまは魅力あるビジョンや人望より、金儲けのスキルがある経営の方が業績を上げていたりします。しかし、私は、これから成功する経営者はもっと別の方向に向かうと信じています。
"できませんでした"そんなあなたに足りないのは、本当に「時間」なのですか?
人が本当の能力を発揮できない理由の90パーセントは、自分を信じていないことにある。
戦争と経営には決定的に異なる部分もあります。会社がつぶれても社長が死ぬことはありません。むしろ私は、経営というものは、負けながら勉強していくのがいいとさえ思っています。
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