自分自身で見聞きしたり、確認したことがない社会的な評価や酵母のようにふくらんだ風評は一切信じるな。
吉本隆明
吉本隆明のその他の名言
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市井に生まれ、そだち、生活し、老いて死ぬといった生涯をくりかえした無数の人物は、千年に一度しかこの世にあらわれない人物の価値とまったく同じである。
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文化が高級だとか、いい学校と言われる学校を出れば優秀だとか、そういう馬鹿なことを言っているやつはダメだということになります。
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情況とは何かを知るために、わたしたちは言葉を必要としていない。きみが情況であり、わたしが情況であり、しかもわたしたちはことごとく追いまくられているわけだ。
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東京大学の先生だから、教養があるかというと、それは全然違うことなんです。東大の先生は、知識はあるに決まっているわけで、それは「専門的に」あるということです。教養があることとは違います。
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詩とは何か。それは現実の社会で口に出せば全世界を凍らせるかもしれないほんとのことを、書くという行為で口に出すことである。
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おそらく、近代日本の社会にあって、もっともおそろしい思想的な力となっているのは、社会的な関係や、社会の構造物がそのまま、自然物のような強固な秩序として認識されるということであろう。
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激動のときにじぶんがこうかんがえているとできるかぎり率直に公開しよう。それはじぶんの身ひとつで、吹きっさらしのなかに立つような孤独な感じだが、誤謬も何もおそれずに公言しよう。
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何も知識の専門家だけを、「専門家だ、あの人は」と言う必要もありません。だけど、知識の専門家はテレビに出てよくしゃべって、「すごいな」と思われる機会も多いでしょう。
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ぼくの孤独はとんど極限に耐えられるぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられるぼくがたおれたらひとつの直接性がたおれるもたれあうことをきらった反抗がたおれる。
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国家なんてなくても民衆はちゃんと生きていけるんですよ。国家が滅んだら、その国の民衆も滅んじゃうか、死んじゃうかといえば、そんなことはありません。
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重要なことは、積み重ねによって着々と勝利した、ふりをすることではなく、敗北につぐ敗北を、底まで押し押して、そこから何ものかを体得することである。
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ひとは、いつも論理自体によってうごかされることはない。ただ未知の領域にあくなき論理によって肉迫しようとする思想にうごかされるのだ。