私は、外国企業との交渉ではまず、その交渉の性格を考える必要があると思っています。性格とは、この交渉が「両者が権利など何かを取り合うためのもの」なのか、それとも「互いが一体となって、両者の利益を増やそうとするウィン・ウィンのためのものか」といったことです。そして、性格を考えたうえで大事なのは、「交渉における相手の目的は何か」「自分たちの目的は何か」を分析することです。特に重要なのは相手の本当の目的です。カルビーとペプシコの提携交渉が10年間もまとまらなかったのは、カルビー側が「ペプシコは当社に出資したがっているが、下手をすると乗っ取られるのではないか」と恐れたことがひとつの原因でした。一方、私は、彼らの本当の目的が「世界有数の市場である日本で、世界一のスナック菓子メーカーらしい利益を上げたい」ということではないかと考えました。ジャパンフリトレーは利益こそ出しているものの、ペプシコの期待にはほど遠いレベルに思えたのです。

松本晃

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