松本晃
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私は組織を活性化させるために、より物理的な「組織」も破壊しました。当社は2010年に本社を移転しましたが、その際に部・課ごとに机を並べる一般的なオフィスをやめ、毎日、各社員の座る場所が変わるフリーアドレスのオフィスにしたのです。部や課が固まって存在すると、そこに人が安住します。すると、本来あるべき姿から離れてしまっていても疑問を抱かなくなってしまうのです。やはり組織は常に壊し続けなければなりません。
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組織はつくった瞬間から硬直化が始まる。
海外事業の基本は、原材料も機械も人も現地で調達し、現地で売ることです。基本的に商品のクオリティーは守っていくつもりですが、日本と同一のコストで品質を維持するのは容易ではないので、そこは現地事情に合わせてやっていくつもりです。
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問題がビジネスをつくる。
データとは過去のものなんです。過去のデータをもとに未来のことを占っても、当たらないのです。
企業経営者が求めることは非常に明瞭。それは成果。スポーツチームならその団体は勝つことが目的だし、企業ならその組織は成果を出すことが目的です。私も株主から結果を出すことを求められているし、私もそれを社員に要求しているわけです。
逃げずに問題にぶつかっていった結果、将来が開けた経験が何度もある。
経営って、簡単なんです。難しく考える必要はちっともありません。
大事なことは、将来を意識したうえで現状を変えることです。
食品業界というのは本来儲かるものなんですよ。前職で医療機器や医薬品といつたへルスケア業界にいましたが、その次くらいに社会に役立ち、利益を上げやすい業界だと思っていました。テレビがなくても生きていくのに困りませんが、食べ物はなければなりませんから。実際、海外に目を向ければ、食品会社はどこも高収益を上げている。グローバルな食品メーカーは営業利益率が15%程度に達しています。
企業には多くのステークホルダーがいます。中でも最も重視すべきは顧客です。彼らへの責任の1番目は安心・安全を前提にした品質、次に価格、3番目が商品の供給、すなわちサプライチェーンです。カルビーは1番目と3番目は本当によくできていました。ただし、コスト意識が低かった。代表商品のポテトチップスなどは、競合商品よりも価格が10円以上高かったのです。
人を動かすということは、「何のために」するのかという問いかけから始まります。「何を求めているか」をはっきり示さないと、社員は動きようがありません。
ダイバーシティの推進は下から始めても進展しにくい。トップダウンで始めることが重要。「女性の活躍なしに、カルビーの将来はない」という確固たる信念のもと、性別のみならず、国籍、年齢、障がいの有無などの垣根を越えた多様性のあるダイバーシティ企業を目指しています。
本社については人数を絶対に増やさず、「現場に対する公僕になれ」と言っています。本社の仕事は支援だけで十分です。
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海外の食品メーカーは儲かっていますが、米国でスーパーを覗いても、商品の値段が高いわけではありません。むしろg当たりで比べてみると日本よりずっと安い。私の分析では、日本の食品企業は製造と流通段階で利益が6ポイントずつ削られている。だから日本メーカーは、海外勢の15%よりずっと低い平均3%とでしょう。例えば、世界中の企業を見ていると改めて思いますが、営業担当者全員にオフィスを用意しているのは日本ぐらいですよ。
人は権限が好きだから、通常、自らそれを捨てようとはしません。そして、やがて目の前の権限を維持・拡大しようとするようになるものなのです。この時も、全社的に見ればおかしいと気づいた社員もいたかもしれません。でも、弊害があることにはっきりと気づかなければ、そのままになってしまうものです。それは、どんな組織でも同じではないでしょうか。
まだ伸びしろはあります。現状維持で満足していたら絶対に脱落してしまいます。社内でいつもそう言っています。
正しいことを正しくやって結果が出たら、黙っていても人はついてきます。
土曜日の予定はバラバラですが、日曜日は極力、定型にしようと意識しています。年齢も年齢ですから、動き続ければくたびれます。私にとって日曜日は体のリコンディショニングの日。可能な限り決まったスケジュールにして、体調を整えるのです。
会社なんていつも問題だらけだ。トラブルのない経営なんてあり得ない。
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